美容・健康事業でオンラインストアを始めるなら【特定商取引法に基づく表記の書き方】

 美容・健康食品業界の企業様においては、商品販売の方法として自社のHP上で商品販売をするオンラインストアを運営することが多いと思います。今回は、このようなオンラインストアを開始するために、法律上必要な「特定商取引法に基づく表記」について説明していきます。

1 特定商取引法とは?

 特定商取引法とは、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、お客様である消費者の利益を守ることを目的とする法律です。
 具体的には、訪問販売や通信販売、キャッチセールスといった消費者トラブルを生じやすい取引の類型を対象にして規制しています。規制の内容は、最近広く知られるようになったクーリングオフが代表的なものになります。

 このうちオンラインストアの運営は、特定商取引法が定める類型の中、「通信販売」に該当します。運営者は、特定商取引法が定める通信販売に関するルールを厳守しなければならないということになります。

2 特定商取引法に基づく表記

 美容・健康事業の商品に限らず、よくオンラインストアをみると「特定商取引法に基づく表記」という文字を目にすることがあると思います。特定商取引法では、「通信販売」を行う場合には、消費者トラブルを避けるため、一定の事項を購入者が分かるように以下の事項を表示しなければならないとされています。

2-1 販売価格又は役務の対価

 これは、文字どおり、販売する商品の価格をいいます。例えば、化粧品の販売だったら販売価格を、セミナーだったら役務の対価であるセミナーの受講料を記載する必要があります。

 なお、この記載は、実売価格で表示する必要があります。つまり、定価、希望小売価格等が表示されているだけではなく、実際の販売価格を記載しなければなりません。

2-2 代金又は対価の支払時期

 支払時期とは、購入者が商品(化粧品・健康食品)や役務(セミナー)の代金をいつまでに払わなければいけないかを指します。

 支払時期には、大きく前払い、後払い、同時払い(代引き)があると思います。ネット通販ということでお客様の顔が見えにくいことを考えると特別な事情がない限り「前払い」か「同時払い(代引き)」を選択される企業が多いかと思います。

 表示例としては、次のような表記になります

    「代金入金確認後、3営業日前後に商品を発送致します。」

2-3 代金又は対価の支払方法

 支払方法とは、どのように購入者がお金を払うかということです。オンラインストアの場合、クレジットカード決済、銀行振込み、代引きの中から、企業が認める方法を表示することになります。最近では、コンビニ決済を導入する企業もあります。
 なお、手数料についてもかかる場合には、明記しておいた方が購入者側からするとより丁寧な印象を持たれると思います。

2-4 商品の引渡時期・役務の提供時期

 引渡時期・提供時期ということで、購入者から注文を受けた後に、どの程度の期間で、商品を渡すかを表示する必要があります。
 上記、「2」の表示例では、代金入金後、「3日前後」となっているので、この例の表示一つでこの要件も満たすことになっています。
 なお、最近の配達事情では遅延する可能性もありますので、

    ご注文時期、配達地域、交通状況等により、通常よりも日数がかかる場合がございますのでご了承ください

と一文入れておくと、お客様からのクレーム対策になります。

2-5 申込の撤回又は解除に関する事項

 これは、購入者がサイト上で申込みをした際に、その申込みを返品できるのか、できる場合はいつまでかを表示することです。

 「通信販売」では、法律上、商品を受け取って8日間までは、返品できますよという規定が存在します。ただし、これはクーリング・オフ制度とは異なり、上記の返品について「返品不可」ということを表示していれば、このルールは適用されません。

 このため、オンラインストアを始めるのであれば、返品を認めるのかどうか、認めるとした場合にはいつまでか、しっかりと検討したうえで購入者にわかりやすく記載するようにしてください。

2-6 商品の送料

 購入者が代金以外で、負担しなければならないものとして、送料があるならば、表示しなければなりません。
 この表示は、「送料実費」等の表現ではなく、金額をもって表示する必要があります。ただし、この部分は、広告スペースとの関係、地域、重量等により細かく差がでてしまうこともあります。
 そこで、購入者が負担すべき送料について、だいたいの目途をたてることができる表示であれば良いとされています。

2-7 事業者情報

 サイト運営者は、その責任の所在を明確にするために、以下の運営者(事業者)情報を表示しなければなりません。

①事業者の名称(法人の場合)又は氏名(個人事業者の場合)
 ※法人の場合は、代表者又は責任者氏名も表示
②事業者の住所(個人事業主の場合は事業所の所在地)
 ※部屋番号まで省略することなく記載する必要があります。
③事業者の連絡方法
 ※問い合わせ対応をする必要があるため記載が必要

2-8 条件付き表示事項

 その他次のような事項がある場合には表示する必要があります。

①申込の有効期限がある場合には、その有効期限
 例えば、セミナー等の場合には、「セミナー開講日の1週間前まで」等
②瑕疵(欠陥)があった場合についてのルールを儲ける場合には、そのルール
③特別の販売条件(販売数量の制限等)がある場合には。その条件

3 表記の方法

 表記の方法としては、一般的に商品購入申込みボタンのすぐ近くに「特定商取引法の表示」という文字に上記事項が記載されたページのリンクを貼るという方法がとられることが多いです。
 この方法による場合、その商品限定で問題となる事項(代金等)については、リンク先ページでは、「各商品ごとに記載」と表示し、それぞれの商品の購入ボタンがあるページに商品毎で問題となる事項を表示しておきましょう。

4 まとめ

 特定商取引法に基づく表記は、検索すると無料でサンプルやテンプレートが数多く掲載されています。
 これらを利用することはいいのですが、重要なのは自分のサイトの運営方法やビジネスモデルに併せて、その表示がなぜ必要なのか、どのような意味をもつのかを理解した上で、これをカスタマイズして使用することです。
 自分のサイトにあうようにカスタマイズして、表記を行うために、当記事を参考にしていただければ幸いです。

The following two tabs change content below.
弁護士法人ピクト法律事務所
担当弁護士茨木 拓矢
美容事業を経営されている事業者様は、薬機法(旧薬事法)や景品表示法規制など経営に絡んだ多くの法的課題を抱えています。これらの問題に対して、経営者目線でお客様とのチームワークを構築しながら、法的問題点を抽出し、最善の解決策を共に見つけ、ご提示致します。

関連記事

運営者

ページ上部へ戻る