小顔矯正のエステで注意するべき広告表現とは

 エステといってもフェイシャルやボディがあったり施術内容も異なれば、スパエステやブライダルエステとサービス内容も様々です。その中でも根強い人気があるものとして、小顔矯正のエステサロンがあります。
 ただ、小顔矯正の場合、エステサロンの中でも摘発された事例が圧倒的に多く、広告表記には十分注意する必要があります。
 今回は、小顔矯正のエステサロンが注意するべき広告表現について説明していきます。

1 過去の摘発事例

 まずはじめに、小顔矯正の広告で過去に指摘を受けたものを上げてみたいと思います。

1-1 過去の摘発事例

 今回の記事を執筆までに、摘発された事例(措置命令が出された事例)として確認できるものは次のとおりです。

  1. ・平成24年7月11日(消費者庁)
  2. ・平成25年4月23日(消費者庁)
  3. ・平成28年3月9日(広島県)
  4. ・平成28年6月30日(消費者庁)

 このように、小顔矯正だけでも複数回、消費者庁や都道府県から指導が入っております。これはエステの広告ではダントツに多い数字となります。
 また、平成28年6月30日の消費者庁の措置命令では、一度に9社を対象として指導されています。

1-2 違反とされた表示

 これまで、違反とされた表示は様々なんですが代表的な内容は、次のような表示です。

  1. 「顔幅を狭くする高度な技」
  2. 「即効性と持続性に優れた施術です」
  3. 「小顔矯正施術は骨に働きかけて、ほうごう線を詰めるだけでなく、主にえらの骨や頬骨に優しく力を加え内側に入れていきます。いくらダイエットをしても骨格が変わらなければ小顔にも限界があります。その限界をなくして理想の輪郭を手に入れることがでるのです。」
  4. 「瞬間で小顔になる!」
  5. 「頭蓋骨も小さくなり,血行が良くなり,ゆがみも同時に整う施術法です」
  6. 「1回の施術で-1.5cm縮小」
  7. 「無痛の骨格矯正」

2 気を付けるべきポイント

 これまでの行政からの指導内容を読み込んでいくと、小顔矯正で気を付けるべきポイントは、次の3つであることがわかります。

    ①頭蓋骨の位置が戻る、ゆがみが戻るかのような表現を行わないこと
    ②1回の施術で、小顔になるという表現を使わないこと
    ③小顔の効果が持続すると保証しないこと

 小顔エステの施術効果として、血行を良くしてむくみを取り、それによって小顔効果がでることはあり得ると思います。
 ただ、行政の考えとしては、サロンの施術によって頭蓋骨を動かしたりというような矯正までは効果として考えられないというものです。このため、骨に関連した広告内容は注意が必要です。

3 まとめ

 小顔矯正の注意点を説明しましたが、小顔矯正の広告自体ができないわけではありません。特に小顔矯正は、テレビや雑誌でも取り上げられることも多く利用者のニーズが高い分野であることもその人気を裏付けているものと考えられます。

 今回説明した注意点を抑えたうえで、魅力ある広告内容を考えていってもらえれば幸いです。

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弁護士法人ピクト法律事務所
担当弁護士茨木 拓矢
美容事業を経営されている事業者様は、薬機法(旧薬事法)や景品表示法規制など経営に絡んだ多くの法的課題を抱えています。これらの問題に対して、経営者目線でお客様とのチームワークを構築しながら、法的問題点を抽出し、最善の解決策を共に見つけ、ご提示致します。

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