健康食品の形状・用法用量の表示の注意点―健康食品と薬機法②

健康食品の製造・販売を行う際には、健康食品の形状や、用法用量の表示についてはどのようにするか、細心の注意が必要となります。

形状や用法用量の表示内容によっては、健康食品が薬機法上の「医薬品」と判断され、その健康食品の製造・販売が薬機法に違反してしまうおそれがあります。

そこで、今回は健康食品の製造業者や販売業者の方々に向けて、薬機法に違反しない健康食品の形状と用法用量の表示について解説します。

1 健康食品の形状と用法用量の表示に注意するべき理由

健康食品は、食品ではありますが、法律などが定める「医薬品」の範囲に含まれる場合、健康食品は、法律上は「医薬品」として扱われてしまい、薬機法の規制を受けることになります。

すなわち、健康食品が法律上の「医薬品」にあたる場合には、自由に販売ができない、自由な広告ができないといった事態が生じてしまうのです。

医薬品と健康食品の区別については、以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。

以上の記事にあるように、医薬品に該当するか否かは、薬理作用の有無とは関係なく、物の成分、形状、名称などを総合考慮して判断されます。

もっとも、現在の国の通達では、以下のような基準で、健康食品が医薬品にあたるか否かを判断しています。

(1)健康食品において、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に該当する成分本質(原材料)が配合又は含有されている場合、健康食品は薬機法上の「医薬品」にあたる。

(2)それ以外の場合でも、健康食品が以下の①~③のいずれかに該当する場合には、健康食品は薬機法の「医薬品」にあたる。

①医薬品的な効能効果を標ぼうするもの
②アンプル形状など専ら医薬品的形状であるもの
③用法用量が医薬品的であるもの

このため、②健康食品が医薬品的な形状である場合や③健康食品に医学的な用法用量が記載されている場合には、健康食品が法律上の「医薬品」にあたり、薬機法の規制を受けることになります。

以上の基準のうち、①医薬品的な効能効果について、より詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

2 「医学的な形状」とは??

それでは、健康食品において用いることのできない医薬的な形状とは、どのようなものをいうのでしょうか。

2-1 医薬品的な形状にあたらない例

以前は、錠剤等は、一般的に医薬品として用いられる剤型であるとして医薬品的な形状にあたるとされてきました。
しかし、現在では、医薬品的な形状の規制は比較的緩やかになっています。

具体的には、健康食品に「食品」であることを明示した場合には、錠剤等の形状をしていても医薬的な形状にはあたらないとされています。

したがって、以下のような形状の健康食品は、製品のパッケージ等に「食品」と書かれている場合、医薬品的な形状にあたりません。

  1. ・ソフトカプセル
  2. ・ハードカプセル
  3. ・錠剤
  4. ・丸剤
  5. ・粉末(分包されたものを含む)
  6. ・顆粒(分包されたものを含む)
  7. ・液状等

2-2 医薬品的な形状にあたる例

他方で、一般に通常の食品としては流通しない形状のものは、医薬品的な形状と判断されます。

そのため、以下の形状は、医薬的な形状にあたると判断される可能性が高いため、健康食品には使用しないことが賢明です。

  1. ・アンプル
  2. ・舌下錠や舌下に滴下するもの
  3. ・スプレー管に充填した液体を口腔内に噴霧して粘膜からの吸収を目的とするもの

3 「医薬的な用法用量」とは??

それでは、健康食品において用いることのできない医薬的な形状とは、どのようなものを言うのでしょうか。

3-1 医薬的な用法用量にあたる例

健康食品に「医薬的な用法用量」を表示できない理由は、医薬品には服用時期、服用間隔、服用量等の詳細な用法用量を定めることが必要不可欠であるため、健康食品にこれらを表示した場合、消費者が医薬品と勘違いし、医薬品的な効能効果を期待してしまう危険があるからです。

したがって、健康食品の使用方法として、服用時期、服用間隔、服用量等の記載がある場合には、原則として医薬品的な用法用量とみなされしまいます。

このため、以下のような表現は、医薬品的な用法用量に該当しますので、健康食品のパッケージに表示することは避けるべきです。

  1. ・1日2個
  2. ・毎食後、添付のサジで2杯づつ
  3. ・成人1日3~6錠
  4. ・食前、食後に1~2個づつ
  5. ・お休み前に1~2粒

3-2 医薬的な用法用量にあたらない例

その一方で、健康食品であっても、過剰摂取や連用による健康被害が起きる危険性、その他合理的な理由があるものについては、むしろ積極的に摂取の時期、間隔、量等の摂取の際の目安を表示すべき場合があります。

そのため、健康食品に「食品」であることを明示したうえで、以下のような代替表現を用いるのがよいかと思います。

  1. ・目安として1日2個から3個
  2. ・栄養補給のためには、添付のサジで1日2杯程度を目安として・・・・・
  3. ・栄養補給の目安として、1日3個から6個ずつ

なお、「食前」「食後」「お休み前」など摂取時期の指定するものは、特に医薬品的な誤認を与える表現となるので、避けるべきです。

4 まとめ

今回は健康食品の製造業者や販売業者の方々に向けて、薬機法に違反しない健康食品の形状と用法用量の表示の方法について解説してきました。

健康食品の形状と用法用量の表示の方法は、健康食品の企画開発という比較的早期の段階で問題になります。

健康食品の製造業者や販売業者の方々におかれましては、製品の企画開発の際には今回の記事の内容を思い出すとともに、現在取り扱っている健康食品に薬機法違反がないかをチェックしてみてください。

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弁護士法人ピクト法律事務所
担当弁護士小林 雷太
美容事業や健康食品事業の携わる経営者の方々は、お客様との法的なトラブルだけでなく、広告や製品表示に関して行政との法的なトラブルに直面することも珍しくありません。 これらに対して、経営者の方々の目線に立った最善の予防策や解決策をご提案してまいります。

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