エイジングケア!化粧品広告で覚えておきたい表現方法と注意点~【薬事広告対策】化粧品編⑩~

 「エイジングケア」の表現は、高価格帯の化粧品では、よく入っている訴求力の高いワードです。この「エイジングケア」表現はよく質問がある点の一つなのですが、「アンチエイジング」はNG表現ということは広く知られています。
 ただ、「アンチエイジング」という表現の置き換えとして、「エイジングケア」ならばOKという勘違いをされている方が結構多いところです。
 今回は、「エイジングケア」で覚えておきたい表現とその注意点について解説していきます。

1 エイジングケアとは

  「エイジングケア」や「エイジング対策」といっても、いろいろな解釈がありえます。ただ、薬事法で認められている「エイジングケア」の表現には一定のルールがありますので、これから解説していきます。

1-1 エイジングケアの意味するものとは

 粧工連が発表している化粧品等適正広告ガイドラインでは、「エイジングケア」を次のように定義づけをしております。

エイジングケアとは、加齢によって変化している現在の肌状態に応じて、化粧品等に認められた効能・効果の範囲内で行う、年齢に応じた化粧品等によるケアのことである。

上記の定義からすると、化粧品広告で認められる「エイジングケア」の表現は、次の条件を守ったものになります。

  1. ①年齢に応じたケアの表現であること
  2. ②化粧品等の効能効果の範囲内であるもの

1-2 エイジングケアの注意点

 このように、①年齢に応じたケアとしていることから、現在の肌状態を維持することまでしか認められていません。
この現在の肌状態の維持を超えて、若返り(例えば、アンチエイジングなど)や老化防止を表現することは、化粧品広告としてはアウトになってしまいます。

 また、②化粧品等の効能効果の範囲内という条件もありますので、前の記事でもご紹介した通り化粧品広告で認められている56の効能効果の範囲内で記載する必要があります。つまり、「エイジングケア」という言葉そのものを効能効果として認めているものではないということを覚えておいてください。
 この広告文中の「エイジングケア」というコピーには、コピーの前後や注意書きで「年齢を重ねた肌にうるおいを与えること」などを記載しておいたほうが安全です。

「エイジングケア対策に※」「※エイジングケアとは、年齢を重ねた肌にうるおいを与えることです。」

1-3 メーキャップ化粧品の場合

 メーキャップ化粧品の場合には、56の効能効果の範囲に関わらず、メーキャップによる効果であれば、事実に反しない限り認められています。
 このため、「化粧くずれを防ぐ」、「小じわを目立たなく見せる」、「みずみずしい肌に見せる」等のメーキャップ効果を表示しながら、「エイジングケア」の表現をすることもOKとされています。

2 認められる表現例

 それでは、次に認められる表現を具体的に見ていきたいと思います。先ほどの粧工連の化粧品等適正広告ガイドラインでは、次のような表現であったら認められるとされています。

2-1 年齢に応じたケアの表現

    ◯認められる表現

  1. ・年を重ねた肌にうるおいを与えるエイジングケア
  2. ・年を重ねた肌にうるおいを与える成分○○を配合したエイジングケア
  3. ・年を重ねた貴方の肌に今必要なもの、それはすこやかな肌のためのうるおいエイジングケア
  4. ・美しく齢を重ねるために大切なこと、それはうるおいに満ちた肌のエイジングケア

 これらの表現は、年齢に応じた化粧品等によるお手入れのことをエイジングケアとしています。さらに「肌にうるおいを与える」ことも説明しているので、しっかり56の効能効果の範囲内で認められた表現を使っているので、OKな「エイジングケア」の広告となります。

2-2 メーキャップ効果の表現

    ◯認められる表現

  1. ・年齢のサイン(しみ・くすみ・しわ)をおおうエイジングケア
  2. ・年齢のサイン(しみ・くすみ・しわ)を隠すエイジングケア
  3. ・年齢のサイン(しみ・くすみ・しわ)を見えにくくするエイジングケア
  4. ・ 若く見せるエイジングケア(ただし、メーキャップ効果等の物理的効果であることが判ること)

 メーキャップ効果とは、色彩により、覆う、隠す、見えにくくする等の物理的効果をいいます。このため、「年齢のサイン」(ここもしみ・くすみ・しわとしっかり表記)について「おおう・隠す・見えにくくする」というメーキャップ効果の範囲をしっかり守っているのでOKな「エイジングケア」の広告となります。
 「若く見せる」の表現も、若返りを暗示させないでメーキャップ効果がしっかりと表現されていれば使える表現になります。

2-3 「エイジングケア」の置き換え表現

    ◯認められる表現

  1. ・ハリのある毎日に導く
  2. ・ツヤめきハリのある日々に
  3. ・うるおいある生活を送る

 これらは、56の効能効果の範囲内による表現になります。これらは、「エイジングケア」と同じような印象を与える表現になり、OKな「エイジングケア」の置き換え表現となります。

3 認められない表現例

 これまでは、認められる表現を見てきましたが、次に認められない表現、つまり薬機法違反となりうる表現を見ていきます。

3-1 素肌の若返り効果に関するエイジングケア表現

    ◯認められない表現

  1. ・あきらめないで下さい。エイジングケアで若さは再び戻ります
  2. ・若々しい素肌がよみがえるエイジングケア
  3. ・小じわ、深いしわ、時間が戻るエイジングケア
  4. ・老化を招く原因のひとつ、活性酸素を取り除いて、若々しい素肌へ導くエイジングケア
  5. ・こんな方にオススメのエイジングケア……シワ、たるみが目立ち、老けてみられる

 これらの表記は、年齢に応じたケアを超えて、あたかも素肌が若返るかのような印象を与えてしまっています。このため、「エイジングケア」の広告としてはNGとなってしまいます。

3-2 素肌の加齢による老化防止効果に関するエイジングケア表現

    ◯認められない表現

  1. ・肌の老化を防ぐエイジングケア
  2. ・アンチエイジングケア
  3. ・エイジングケアで加齢に待った
  4. ・肌の老化対策エイジングケアとして開発された
  5. ・エイジングケアの大自然のパワーが肌老化を解決
  6. ・肌を「守り」「育む」老化対策のためのエイジングケア

 上で見たように、肌の若返りだけでなく、肌の老化防止も化粧品広告で認められていません。「アンチエイジング」もNGな広告表現です。

3-3 加齢によるシワ・たるみの防止、改善に関するエイジングケア表現

    ◯認められない表現

  1. ・シワ専用美容液、シワを直す、シワを取り去るエイジングケア
  2. ・皮膚の老化メカニズムに着目した、シワ対策のエイジングケア薬用美容液
  3. ・シワやたるみを防ぐエイジングケア
  4. ・シワを改善するエイジングケア
  5. ・○○エイジングケアは加齢によるお肌の衰えにやさしくダイレクトに働きかけます
  6. ・シワ専用エイジングケアナイトクリーム
  7. ・エイジングケアで目覚めればシワ、タルミすっきり!
  8. ・シワの原因は真皮の劣化です。真皮の劣化はエイジングケアで改善できます
  9. ・エイジングケアで目もとのしみ、しわ、たるみに速やかに対処
  10. ・肌細胞に直接働いてシミ、しわ、たるみにエイジングケア

 「加齢によるシワ・たるみの防止、改善」は、化粧品広告で認められる56の効能効果の範囲には入っていません。このため、「エイジングケア」の広告としてはNGとなってしまいます。

3-4 配合成分、作用機序の説明で老化防止を標榜したエイジングケア表現

    ◯認められない表現

  1. ・肌の老化と戦う抗酸化成分○○を配合、○○エイジングケア。
  2. ・肌の老化防止に役立ち、特にコラーゲンの生成能力を高める○○○成分によるエイジングケア
  3. ・シワの生成原因となるたんぱく質の量をコントロールするエイジングケア有効成分○○

 これらの表現は、肌の老化防止など特定の作用があるかのような表現や効能効果として認められているかのような表現となっており、化粧品広告で認められる56の効能効果の範囲外です。このため、「エイジングケア」の広告としてはNGとなってしまいます。

4 まとめ

 このように、よく化粧品広告で認められる「エイジングケア」の表現も、いろいろなルールがあります。「アンチエイジング」の表現だけでなく、①年齢に応じたケアの表現、②化粧品等の効能効果の範囲内というポイントを覚えて、適切な広告作りを行ってください。

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弁護士法人ピクト法律事務所
担当弁護士茨木 拓矢
美容事業を経営されている事業者様は、薬機法(旧薬事法)や景品表示法規制など経営に絡んだ多くの法的課題を抱えています。これらの問題に対して、経営者目線でお客様とのチームワークを構築しながら、法的問題点を抽出し、最善の解決策を共に見つけ、ご提示致します。

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